「森のガイド養成講座」を実施しました
夏休みも終わりが近づき、まだまだ蒸し暑さが続く8月27日より、全4回で開催された「森のガイド養成講座」についてレポートします。
ドングリランドというフィールドを利用し、「森をガイドするプログラムの企画・実践」をテーマとして、森林インストラクターの横山昌太郎さんを講師にお招きして、「座学」「実践」を行いました。今回は6名の方が参加しました。(新人職員も受講者として参加しました!!)
■講師紹介
横山 昌太郎(よこやま しょうたろう)。環境庁・自然保護管や民間での森のガイドを約20年ご経験された後、平成29年に香川県に移住。香川県まんのう町の大川山を中心に森や地域のガイド、エコツーリズムアドバイザー、ガイド養成講師として全国で活躍中。
ここからは、ガイド養成講座の様子を抜粋してご紹介します。
■座学編
まずは全4回のタイトルをご紹介します。(全て、半日の開催)
・1日目「ガイドの心構え」「ガイドスキル」
・2日目「コミュニケーション」「地域資源の活用」
・3日目「ツアープログラムの組み立て」
・4日目「ツアープログラム実践」「今後に向けて」
講師の横山さんのツアーガイドとしての経験を元に、座学形式と演習形式を組み合わせた、非常に楽しい講義でした。ここでは、新人職員の私が非常に印象的だったトピックをご紹介します。
「お客様から見たときに、ソレは本当に魅力があるか?」
まず、紙に自分の氏名を書き、その周辺に「自分が好きなこと(項目)」を書き出します。次に、2人ペアになって、「なぜ好きか?どこが面白いか?エピソード」を3分でお互いに説明します。1回目は、自分で(自分の好きなことを)選んで説明しました。2回目は、相手に(話して欲しいことを)選んでもらって説明しました。ちなみに、新人職員の私は、自分で選んだ項目として「食べる(ジャム作り)」を説明し、相手が選んだ項目として「絵(水彩)」を説明しました。
自分で選んだ項目は、説明している自分が楽しくなってくるのですが、話したいエピソードが多く、暑苦しい説明になりました。一方で、相手に選んでもらった項目は、緊張感が高め+熱量が(やや)低め。。。ガイドをする際にも、「自分が話したい」ばかりでなく、「相手(お客様)が知りたいこと」を1人1人受け止め、丁寧に答えていかなければ、と気持ちを新たにしました。
「旅行者は、(観光地に)満足しても、リピート顧客にはならない」
観光旅行においては、「満足度」と「リピート率」に相関関係はない。なぜなら、旅行は「非日常(未知)の体験」を求めてやってくる。つまり一度、訪れてしまえば、「既知(未知ではなくなる)」となるため、次に訪れることはない。という話がありました。
新人職員の私は、雷を落とされた気分でした。ドングリランドは里山体験(非日常体験)ができる場所。だから、広報活動を通じて、幅広い沢山の方に来てほしい!!そう考えていたからです。これからは、幅広い方に来ていただくことに加え、来園者に「また●●を体験したい」「〇〇さんの話を聞きたい」と思ってもらえるために何が必要なのか?を考えていきます。
■ツアープログラム実践
4日目は、台風到来の直前でしたが、全員でフィールドに出て、実際にガイドを行いました。
説明する場所についたら、参加者や横山さんを相手に、ガイドスタート!!所要時間は5分~15分が目安。終わったら、一人一人がコメントし、横山さんにもアドバイスをもらいます。
・Kさん:彼岸花、桜について(落ち着いた語り口調は安心感+安定感。資料も道具も万端!)
・Aさん:栗について(にこやかで楽しそう!思わず、コチラもにっこり。クイズが最高!)
・Hさん:イノコヅチについて(イノコヅチを通じて、伝えたい思いがグッと感じられました!)
・Nさん:紅葉について(ガイド内容や場面を細かく設定。自己紹介のアイスブレイクも楽しい!)
新人職員の私は、「ドングリの木がどうやって広がったのか?“形”と“味”から解き明かす」と称してガイドを実施!説明の組み立ては褒めてもらいましたが、面白さ/楽しさはもっと工夫が出来そうです! (その場の成り行きで、全員でアベマキのドングリを味見することに。。。あまりの不味さにびっくりです)
■最後に
「森のガイド」が題材ではありましたが、「コミュニケーション(様々な年代や価値観の方に、思いを伝えるには?)」や「満足度(リピーターになってもらうためには?)」など、
・学生時代(接客アルバイトをしていた自分)
・30代の会社員時代(企画書のプレゼンで、上司に何回も手直しされていた自分)
が受けても、鱗がポロポロ落ちる講座でした。
今回ガイド養成講座に参加くださった皆様とも、森林公園であるドングリランドを通して繋がっていきたいと考えています。また、お忙しい中、講師を務めてくださった横山昌太郎さん、楽しい講義ありがとうございました。