救急法講習会(6月19日)行いました
6月に開催した「救急法講習会」についてレポートします。梅雨入りしているとは思えない暑さの中、15名の皆様が参加してくださいました。
1.心肺蘇生、AED
今回は実習を行うため、中央にブルーシートを広げ、ベンチで囲む形式にしました。ドングリランドビジターセンターは床・柱・窓が木造で天井も高く、心地よい空間なのですが、さすがに今日は暑くなりそうなので、窓は全開+扇風機も4台スタンバイ。早速、講習スタートです。
もし街中で「倒れて動けない人」を見掛けたら、皆さんは何をすればよいか想像がつくでしょうか?講師の方が順番に説明してくれます。まずは近づきながら「大出血がないか?」「骨折はないか?」全身を確認。これは救急車が来た時に伝えるためです。大出血がない場合は、意識の有無/呼吸の有無を確認します。刑事ドラマのように脈をとるのではなく、「肩を叩いて声掛け」「呼吸の確認(お腹/胸が通常通り上下しているか)」で判断(確かに我々が、脈を正確に測れるわけがありません。しかもコロナ禍ではマスクをしているので、口元でも判断つきません)そして協力者を求め、119番通報です。
無呼吸(心停止)状態の場合、AED探して心肺蘇生と続きます。1分・1秒でも早く救急車に来てもらい、病院に搬送してもらうのが一番。脳に血液が流れない状況の場合、1分遅れる毎に、蘇生率が10%下がる、とのこと。そこで「呼吸がない/分からない」場合は、心停止と判断して心肺蘇生行動を行います。人形を使った「胸骨圧迫」を参加者全員で順番に実習(職員も飛び入り参加しました!)。手を上下に組んで、1分間に120回、胸の厚みの3分の1を押し続けます(大人の場合。コロナ禍なので人工呼吸は不要)。AEDがある場合は、「パット貼り付け」「心電図の確認(電気ショック要否の判断)」「電気ショック」が加わりますが、AEDの音声ナビゲートに従えばよいそうです。胸骨圧迫は思ったより力がいるうえに、救急車が来るまで続ける必要があるそうです。これは正直、無茶苦茶ハードです。周りの人と協力する必要ありです。
2.ケガの応急処置
外出中に、目の前で子供が転んで骨折が疑われる場合、皆さんどうしますか?しかも、(山、海、島など)救急車がすぐに来られない場所だったら・・・。講師が実際に見せてくれました。
●肘なら少し上を向けた状態で上半身に固定(固定できれば、痛みはずいぶん治まるそうです)
●新聞・雑誌・木の枝+ガムテープでも固定可能
●擦り傷、切り傷、刺し傷は、清潔な水で流して、ハンカチを包帯代わりに。(ティッシュペーパは繊維が残ってしまうためNG)
続いて、三角巾を使って「包帯にするための折りたたみ」を学び、「肘の上半身への固定」を隣の方と実習します。正直、三角巾=給食当番が頭に被る物と思っていたのですが、ケガの応急処置においては優秀アイテムでした。しかし肘を固定するのは難しく、皆さん悪戦苦闘です(私も含め)。なんと言っても、自分でない第三者を処置するのは自分が見る目線とは逆ですし、力加減も分からない。本当、思い切りが必要です。座学だけでは「分かったつもり」なのかも。今回の講習で実習できたので、もう一歩踏み込む勇気をもらいました。
3.危険生物への対応
虫(蜂)に刺された、蛇に咬まれた場合の対応について、アドバイスをもらいました。
●我々は医者ではないので、治療はできない
●早く医者に診せるのが大事(もちろん救急車を呼ぶのも有効)
●毒の有無を問わず「ショックを和らげる声掛け」が重要(ショック状態が命に関わる可能性もあるため)
●蜂:針をのけ、水で洗う
●毒蛇:何もしない+落ち着かせて医者へ(昔は、「切開して血を吸出し」「心臓に近い部分を縛る」でしたが、現在は「何もしない」が正解だそうです)
4.最後に
今回は、15名の参加に加え、どんぐりネットワークの職員も4名受講しました。つくづく感じたのは、「命が係わる状況」に遭遇した場合、私(私達)が何をできるか?です。
森林の中で、街中で、目の前で「倒れている友人/仲間/家族/来園のお客様」がいた場合、
●119番に通報して救急車を呼ぶ
●AEDを探しに行く
●周辺の子供を落ち着かせる
●胸骨圧迫を交代で続ける(救急車が到着するまで)
●(倒れているのが女性の場合)AED使用中に周りを囲って視線を遮る
●清潔な水を提供する(買って来る)
まだまだ出来ることはありそうですが、きっと一人ではパニックです。でも、周りの方と「声掛け」しながら連携プレーをすれば、一人の命を救うことが出来るかもしれません。スマホで無下に写真をとる野次馬になるのではなく、何か行動できる人間でありたいと感じた一日でした。ドングリランドの救急法講習会は、「こんな学びがあった」「こんな実習ができた」を皆さんが持ち帰られるよう、来年も開催する予定です。皆さんの参加お待ちしています。
以上