ドングリランド内ビオトープの特定外来種駆除を行いました。
香川県立森林公園ドングリランドには、ボランティアの皆さんと一緒に作ったビオトープ(通称:とんぼ池)があります。
付近には池や水溜が殆どなく、ドングリランド近辺の水生生物を始め沢山の生物の生活活動の場や、水分補給の場、時には餌場として、生物多様性保全のため、また最近姿を減らしつつある貴重な動植物を観察出来る環境学習の場としても重要な機能を果たしています。
そんなとんぼ池で6月上旬、特定外来種のウシガエル(メス)を発見しました。
ウシガエルについては環境省中四国版チラシこちらをご参照下さい。
ウシガエルは、国外から持ち込まれた外来種の中でも特に生態系への影響が大きいとされる「特定外来種」に指定されているカエルです。捕食性が高く、口に入る物であれば何でも貪欲に食べ、在来種を食べ尽くしてしまいます。
ビオトープやその周辺には、トンボのヤゴや水生昆虫、メダカ、オタマジャクシなどの生物と、それに関わり暮らしている生物や環境が存在していて、その中には絶滅が心配されているような物も少なからずあります。
ウシガエルはもともと日本のカエルではありません。本来そこにいるはずのない生物がそこに侵入する事で、長い時間を掛けて作られ、絶妙なバランスで保たれてきた環境が崩され、修復不可能な状態をもたらす恐れがあります。
特に特定外来種は外来種の中でも特にその影響力が大きく、生物多様性を脅かす存在として駆除の対象になっています。
そこでビオトープ内の生物保護のため駆除作業を行い、4匹のウシガエルを発見・駆除しました。
8畳程のビオトープ内に4匹のウシガエルが生息していたと言う事は、1匹当たりの生活面積は約2畳。つまりウシガエル1匹が2畳範囲の生物を食べて生活していた訳です。
カエルは「動くものは食べる」習慣があるそうで、このまま何もしなければウシガエルの大きさからその範囲の生物はみんな食べ尽くされてしまったかも知れません。
駆除作業を一旦終えたビオトープでは、早速「イトトンボ」の羽化を確認する事ができました。
小さな小さなビオトープですが、ここでも様々な生物が生き、命を繋いでいます。その多様性を知り、伝えるため、里山モニタリング調査を始め、こらからも定期的な観察や手入れを行い、この環境を大切に大切に守って行きたいと思います。(D)